園子のアブない夏物語のその後 京極真の小説

林の中で園子が道脇さんに殺されかけたとき、颯爽と現れて園子を守ってくれたのが京極真だった。

京極真が、道脇さんの振り下ろすナイフから園子を守ったとき、彼の腕には、深くナイフが突き刺さった。

しかし、それを物ともせずに、京極は道脇さんを蹴撃で撃退した。

園子にとって、連続殺人犯であった道脇さんから、京極真が園子を身を挺して守ってくれたことだけでも嬉しかったが、

その後に京極が園子に対して放った言葉が、園子にとってとても衝撃的だった。

ええ、ずっと後をつけていましたよ、林で見失うまでは。。ストーカー呼ばわりされるのを覚悟でね

あなたは知らないでしょうけど、私はあなたを一度、空手の試合会場で見ているんです。必死で友人を応援する、あなたの姿をね

蘭やコナンくんと一緒に道脇さんと食事や、海辺でデートをしていた頃は、京極真に対して園子が抱いていた印象は最悪なものであった。

なぜか園子たちにいつも付きまとってくる、愛想の悪い根暗な男

京極に対する園子が持っていたこの印象が、道脇さんの一件で、180度変わってしまった。

悪い印象が無くなっただけではない。。むしろ。。。

蘭「園子!!大丈夫?? ケガとかは無い??」

コナン「大丈夫? 園子姉ちゃん!」

園子「え?? 。。。。ああ、、大丈夫よ!。。

私は何ともないわよ」

すぐ隣では、蘭たちから通報を受けた警察が集まってきており、実は連続殺人犯であった道脇さんを連行するところだった。

園子「彼は?? 私を助けてくれた彼! 彼のほうが大変なケガをしていたのよ! だって、腕にナイフが突き刺さったんだから!!

救急車を呼ばないと!!」

蘭「そうよね。。だから救急車もさっき呼んだんだけど、京極さん、園子を助けた後すぐにいなくなっちゃって。。。

ケガの治療もしないで、もしかしたら、宿に戻っちゃってるのかな。。?」

園子「蘭! ちょっと待って!  京極さんって??

彼の名前京極さんっていうの? どうして蘭が名前を知ってるの??」

蘭「なんでって。。。だって、彼とても有名だもの。眼鏡を取るまで私も気が付かなかったけど。。

杯戸高校の空手部主将よ! これまで誰にも負けていない、蹴撃の貴公子って呼ばれてる、最強に強い人なんだから。」

園子「え。。。? そう。。なの。。??」

蘭「そうよ。 なーんだ。園子は知らなかったのね笑。。まあでも、空手の試合の時には、園子はいつも私を一生懸命応援してくれてたから。

だから、かっこよくて最っ高に強い京極さんが会場にいても、気が付かなかったのかもね笑」

蘭は、少し園子をからかうようにそう話した。

「あ、、そうか、、」 園子は納得した。

確かに、サッカーや野球、その他にも他校のスポーツ観戦の時にはいつも、その高校で有名なかっこよくてイケてる男子を事前にリサーチして応援をしたり、他にも会場でイケてる男子がいたら、常に目を付けていた。

園子【でも、空手の試合会場では、確かにそういうミーハーなこと、、していなかったわね。。】

蘭「とにかく、今から京極さんを探さないとね! あの腕のケガ。。。もし治療をしてなかったら大変だし。。」

園子「蘭、待って!! 私、今から彼を探してくるわ!!」

蘭「え?? 園子? 大丈夫なの??」

園子「うん! 私はどこもケガはしてないから!! 彼、今はもう宿に居るのかしら?? とにかく彼を探してくる!!」

蘭「あ、、待って園子!!  私たちも一緒に。。」

蘭がそう言う前に、園子は一目散に走って行ってしまった。

コナン「行っちゃったね。園子姉ちゃん」

蘭「んもう!! 大丈夫かな?園子。。さっき道脇さんから襲われたばっかりなのに。。」

コナン「とにかく、僕たちも宿のほうに戻ってみようよ!」

蘭「そうね!」

——————————–

そのころ園子は、タクシーを捕まえて、京極真の両親が経営している瓦屋旅館へ向かっていた。

園子 【腕のケガは大丈夫かしら??。。ちゃんと病院で治療をしてもらわないと。。。

それにお礼!!  助けてもらったお礼を未だ伝えられていないのよ!! そのお礼も伝えなくては。。あとは。。あとは。。】

タクシーのなかで目まぐるしく考えを巡らせる園子。

そのなかでふと、園子を助けてくれた京極真が最後に発した言葉を思い出す。

京極「ああそれと、必要以上に男を挑発する、その下着のような恰好も、できればやめることをおすすめしたい。

もちろん、あなたに好意を寄せる、幾多の男のうちの一人の戯言として、聞き流していただいても、構いませんが。。

園子 【 「あなたに好意を寄せる」って、彼、確かに言っていたわよね。。?

それって、、私に好意を寄せてくれているっていうこと。。?

うそでしょ。。? でも、彼はそう言っていたし。。】

そんなことを道中考えているうちに、園子はすぐに瓦屋旅館へ着いてしまった。

園子 【とにかく、彼を探さなきゃ!! どこにいるのかしら?】

タクシーで瓦屋旅館に到着した後、園子は旅館の中を一通り探してみたものの、彼の姿はなかった。

園子 【もしかしたら、今ここにはいないのかしら??

ちゃんと一人で病院へ行って、今治療をしているのかもしれないわね。。それなら良いのだけれど。。】

そうは思いつつ、園子は何とも言えない寂しさを感じていた。

京極に会って、ケガの具合をきちんと確認して、助けてくれた時のお礼をすぐに伝えたかったからだ。

園子たちは、明日の朝には瓦屋旅館を出発しなければならない。

だからこそ、園子は出発の前までに、きちんと京極にお礼を伝えたかった。

その時、瓦屋旅館の食事処から人の居る気配を感じた。

未だ食事の時間にはなっていないため、お客さんは居ないが、調理場で人の気配がする。

旅館の従業員なら、京極真の居場所がわかるかもしれない。

園子はそう思い、調理場に足を踏み入れた。

すると。。。そこに京極真がいるではないか。

他の従業員も何人かいたが、その中で、彼も普段と何ら変わらない様子で、大きな荷物を運んでいた。

園子は愕然として京極真を凝視した。

すると、彼も気が付いたのか、園子の方を見た。

園子は、病院にも行かず、旅館で仕事をしている京極を見て思わず、

「一体、なにをしているの??!」

と大声で発したかったが、驚きすぎて、口が大きくパクパク動くだけで、声を発することができなかった。

園子 【なんで、、なんでここに居るの??ケガは大丈夫なの??】

その園子の様子を察して、京極はこちらに近づいてきた。

京極「すみません、少し外に出てきます。すぐに戻りますので」

厨房の他の従業員に向けて声をかけて、京極は園子のもとへやってきた。

相変わらず園子は言葉を発することができず、驚いた顔のままで、口をパクパクさせている。

京極「大丈夫ですか?? 少し、外で話しましょうか。」

そう言った京極は、そのまま厨房を離れた。

動揺しっぱなしであった園子も、京極のあとに続いた。

彼は、ゆっくり歩きながらも、ときおり後ろを振り返って、園子の様子をそれとなく確認してくれる。

それが園子にはなぜかすごく嬉しかった。

京極が向かっていたのは、瓦屋旅館の裏庭だった。

夕暮れ時で、外は少しだけ暗くなっている。

園子【へえ~、ここにこんな裏庭があったのね。】

裏庭は、彼のお母さんの趣味なのか、植木や花壇でいっぱいであった。 こじんまりとしているので、きっと旅館のお客さん向けの裏庭ではないのだろう。

京極「よければ、こちらに座ってください」

そこには小さなテーブルと机のワンセットがあった。

京極に言われるまま園子は椅子に座ったが、京極はといえば、椅子はまだ隣に残っているのにも関わらず、そこに座る気配はなく、立ったまま腕組みをしている。

いつも京極がかけている眼鏡は、道脇さんと闘ったときに壊れてしまったため、今、京極は眼鏡を付けていない。

腕組みをしながら、まっすぐに前を見つめる京極の横顔はとても端正で、園子はついつい見入ってしまう。

園子 【こんなにかっこ良い方だったなんて。。。ずっと気が付かなかったわ。。】

園子は、京極の顔を無意識で見つめてしまっていた。

京極「園子さん、大丈夫ですか??」

園子「えぇ??? だ、大丈夫よ!!  え?? 園子さんって。。?」

京極「あ、すみません!!。。。お友達が貴女のことをそう呼んでらしたので。。思わず。。。すみません。。

苗字を教えていただいても良いですか? 今後、そちらで呼ばさせていただきます」

京極の、これまでの冷静そうな顔が一気に緩んで、急に動揺し出した。

それを見て、園子はつい笑ってしまう。

園子「いいのよ、今のままで呼んでいただければ。。」

京極「あ、、そうですか。。。それでは。。」

一瞬の沈黙が訪れる。

京極「園子さん、さっきあの男に襲われたとき、どこかケガはしていませんか??

宿に帰ってからもずっと、心配だったんです」

京極はそう言って、園子の身体を凝視する。

園子「え? ケガ?? 私はどこも。。」

すると京極が、急に園子の右手を救い上げた。

京極「ここ、ケガされていますね。。。」

そう言って、京極は苦しそうに顔をゆがめる。

京極「ちょっと待っていてください!」

そう言うと、京極はすぐに旅館の中に入っていってしまった。

園子 【ケガ。。? この右手のかすり傷のこと。。?

全然気が付かなかったわ。こんな傷。。】

確かに、園子は右手にかすり傷を負っていた。多分、道脇さんに襲われた際にできた傷であろう。 でも、血が滲んではいるが、こんな傷は大したことではない。

園子 【そうだ!! 京極さんの腕の傷!! 彼の傷のほうが重傷よ!! なんとかしないと!】

京極はすぐに戻ってきた。その手には救急箱を持っていた。

園子「京極さん! ナイフで刺された腕の傷は大丈夫なの?? 病院でちゃんと見てもらわないと!!」

京極「大丈夫ですよ、それより、こちらが先です」

そういって京極は園子を椅子に座らせると、救急箱を開けて園子の右手の傷の治療をし始めた。

消毒液を塗って、包帯を巻く、彼の手際は非常に良かった。

もしかしたら、これまで空手の試合で何度も闘っているので、自分の治療も、他の誰かに治療を施すのにも、彼は慣れっこなのかもしれない。

園子は治療中、じっと京極を見つめていた。

その視線に気が付いたのか、京極も、園子の右手を持ったまま、園子のほうを見た。

京極「すみません!! 治療、終わりましたよ」

そう言うと、急に京極は、園子の右手をパッと離した。

顔も背けているが、京極の頬が赤くなっているように見える。

園子 【京極さん、顔が赤い。。? まさかね。。】

京極「今、手当しましたので、これで大丈夫だと思います。念のため、明日病院でも診てもらった方が良いかもしれませんね。 痛みは無いですか?」

園子「これくらい大した傷ではないわ。大丈夫よ。手当してくれて、ありがとう」

園子はそう京極に対してそう話したが、園子の右手を握って以降、なぜか京極は園子の顔を直視してくれない。

ずっと違うほうを見ている。

園子 【そういえば。。。】

園子「私の傷なんて大したことは無いわ! それよりも、あなたの腕の傷のほうが心配よ! 大丈夫なの??」

そういって園子は、京極の正面に回り、彼の腕の傷を確認した。 京極の腕には、園子の右手に巻かれたものと同じ包帯が巻かれていた。

京極「ええ、私は大丈夫です。先ほど、自分で手当てしましたし。出血も止まっているので」

園子「病院に行っていないの?? ナイフで刺されたのよ!! 病院へ行った方が良いわ! 今からでも!」

京極「そうですね。 それでは、明日にでも病院へは行きます。今からだと、もう病院へ行くには遅いですしね」

園子「どうして、あの後すぐに病院へ行かなかったの?」

京極「それは。。。一度、行こうとは思っていたのですが。。」

そう言って京極は一瞬、言葉を詰まらせる。

京極「林を出た後、貴女があの男に襲われたときにどこかケガをしてはいなかったかと、心配になってしまって。。。

宿に戻れば貴女にすぐに会えると思ったので、一旦、こちらに戻ったのですよ」

この京極の言葉で、今度は園子の顔が真っ赤に染まってしまった。

京極「明日、園子さんたちは東京へ帰ってしまうのですよね?」

園子「え、ええ。。。」

明日には東京へ帰る、その事実を改めて認識して、園子は急に寂しい気持ちに襲われた。

明日から京極さんとは会うことができない。。その事実が園子の胸に突き刺さる。

京極は、そんな園子の俯く顔を、じっと真剣な眼差しで見つめている。

暫く沈黙が続いた後、園子が言葉を発した。

園子「明日、もし病院に行くのなら、私もついて行っても良いかしら?。。。あなたのケガの具合がとても心配なの。。」

京極「。。。ぇ。。は、、、はい! 。。もちろんです!

もしそばに居てくださるのなら、とても嬉しいです。

。。ですが、明日の出発の時間は大丈夫なのですか?」

園子「ええ!! 全然問題ないわ! 蘭とコナン君には、私から話して先に帰ってもらうわ。それでも良いかしら?」

京極「ええ! ありがとうございます。 いえ、すみません、ご迷惑をおかけしてしまって。。。」

園子「迷惑なんて。。とんでもないわ! 。。。

今日は助けてくれて、、本当にありがとう」

園子はここで初めて、やっと京極の顔を正面から見て、今日彼に助けてもらったお礼を笑顔で伝えられた。

園子の笑顔を真正面で見た京極は、これまでにないほど顔を真っ赤に染めてしまった。

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名探偵コナンの大ファン(特に京極真と鈴木園子カップル大好きな笑)ミッコがお送りしましたー(^^♪

京極真と鈴木園子の出会いの場(馴れ初め)であった「園子のアブない夏物語」

この事件の直後、二人がどうなったのか、どんなやり取りがあったのか、その後の展開がかな~~り、気になっていたんですよね~笑

だから今回、自分で作ってしまいました爆

真さんの照れ屋で、でもまっすぐなところ、伝わったかな笑??

このあとの病院編など続編も、時間を見て作っていきます~

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